『引越し疑惑』
昨日、隣人が煩わしい音を立てていた。
『バタン、ドタドタ、ゴットン』
夜間であれば、通告しようと思っていたが、
真昼間であったため、静かに気持ちを
落ち着けていた。
小一時間ほど不快な煩音を奏でた挙句、
それ以後は何事もなかったように煩音が止んだ。
その後、私は外出することになり、昨日まで
なかった粗大ごみの塊に不意に目がいった。
服やガラクタが透明の袋の中に容赦なく詰め込まれていた。
通常の粗大ごみの量にしては結構な袋の数だ。
夜、用事を終え、帰宅すると更に、同じ場所に
同じようなゴミ袋の数が増えていた。
これはもしかして?
隣人の引越しなのかもしれない。
いや、いくつもの通告を無視し続け、煩音を垂れ流し続ける輩だ。
そんなことはない。
・大家への通告、半年で4回
・インターホン越しの通告、1回
・苦情手紙投函、1回
常識人だと、注意されれば、以後静かにするものだと思うのだが、隣人はそれとは違う。
注意後、3日は静かになるが、それ以上、静かにすることができないガサツな人間だ。
月末になるといつも期待してしまい、がっかりさせられる。
今回もまたがっかりさせられるのだろうか。